イラストレーターから見たイラスト価格の決定方法
イラストの料金相場はほぼ存在しない。クライアントの要望によってその料金は変化するからだ。イラスト価格は以下の要素等の影響を受ける。
- クライアントの予算
- 業界慣習
- イラストレーターの人気度
- イラストレーターのキャリア
- イラストレーターの事業コスト
- 作業時間
- イラストサイズ
- 枚数
- 背景の有無
- 差分の有無
- 使用媒体
- 使用期間
- 著作権を譲渡するか独占的利用許諾か
- 氏名表示の有無
- 納期
- 景気
有名イラストレーターでない限り、イラスト価格はクライアントの予算できまる。価格が低い場合は作業時間を短縮する(品質を下げる)か断るかを選択することになる。品質の低いイラストが使われる場合、評判の低下を招くリスクがある。
イラストレーターから見たイラスト価格の大雑把な計算方法
以下の計算式で価格を計算する。
(欲しい時給 * 予想作業時間 * 1.3)+ 経費
時給分を 1.3 倍するのは税金の支払いがあるからだ。1.3 倍する場合、税率を約 23.1 %として計算していることになる(1-(1/1.3) = 0.2307...)。所得が 200 万円の場合の税率は、所得税・年金・健康保険・住民税を含めるとトータルで 20 % ぐらいになる。経費には税金がかからないので 1.3 倍しない。この経費には電気代や PC の減価償却費・通信費等が含まれる。
例
描くのに 10 時間かかるカラーイラストを1枚描くケースを考える。時給 2,000 円で経費が 2,000 円の場合、2,000 * 10 * 1.3 + 2,000 = 28,000 円を請求する必要がある。
この 28,000 円が可処分所得でなく収入であることに注意する必要がある。実際の可処分所得は時給分の 2,000 * 10 = 20,000 円だ。
年収の計算
このような仕事が1年中ある場合、1日 10 時間・週5日仕事をするとして1年で 260 営業日。年収は 260 * 20,000 = 5,200,000 円になる(ただしこの額の所得になると税金は 20 % を越えるので実際の可処分所得は 500 万円を超えないと思われる)。
1年中仕事があるわけではないので実際の年収はこれより少なくなる。
イラスト料金の表示方法
低価格の依頼をその都度断るのは面倒なので、ホームページや SNS の説明欄に料金の目安を掲示しておくことを推奨する。表示方法はPanda Graphics のイラストジャンル別概算価格表が参考になる。
掲示するイラストには以下の情報が必要になる。
- キャラクターデザインを含んだ料金かどうか
- 解像度またはサイズ(1920x1080 や A4 350dpiなど)
- カラーかモノクロか
- 料金
- 納期