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コマ落とし

カテゴリ:blender

コマのフレームレートについて

リミテッドアニメは可変フレームレート

リミテッドアニメのセルのフレームレートは可変だ。セルの動きの激しいときはフルコマ(24fps)にして、そうでない場合はコマを落とす。背景とカメラとは常にフルコマが望ましい。そうしないとカクつきとして認識される。

セルと背景とのフレームレートが一致しない

セルと背景(カメラの動き)とのフレームレートは一致する必要がない。富野由悠季著『映像の原則 改訂版』(キネマ旬報,2011年)p.267 は以下のように解説している。

 大切なのは、セルは3コマごとに1枚変えても、背景の移動は1コマごとにして撮影しなければならないことです。
 背景が移動するスムースさの再現には、1コマごと、つまり、実際の被写体を撮影するフィルムのようにつかわなければ再現できません。
 これは、フォローの背景を移動させる場合も同じです。
 セルが3コマごとに一枚撮影しているリミテッド・アニメなら、背景移動も3コマごとに移動させればいいのではないか、と実験したことがあります。そうしたら、全く駄目で、カタカタとトメの絵が続いているだけになってしまって、動きらしいものになっていなかったのです。
[…中略…]
 つまり、リミテッド・アニメというのは、セル絵が3コマごとにしか動いていない不自然さを背景の1コマごとの動きがカバーして、なんとか全体が動いているように錯覚させていたのです。
 錯覚! アニメにとってなんと偉大な発見でしょう!

以下の動画は前半は背景 24 fps、後半は背景 8 fps。中央のスザンヌは一貫して 8 fps で動いている。

カメラのパン、ズーム、ドリー、手ブレ等を入れることによって、セルのカクつきをごまかす方法がよく使われる。

フレームの間隔も可変

接地やタメツメの部分のコマを詰めることで動きに滑らかさが出る。

スクリーン空間での移動速度

スクリーン空間での移動速度が速かったり、移動速度が大きい場合は、2コマや1コマにする。ジャギーブラーを使う方法もある。

第2回 アニメの「コマ打ち」とは何か――井上俊之が語る「コマ打ち」の特性

フリッカー

セルと背景とのフレームレートが一致しないで説明したように、カメラの動きはフルコマにする必要がある。しかしセルと背景とが接触している部分(歩行時の足元や壁に触れている手など)はコマを落とすと残像が残ってちらつく。これはフリッカーと呼ばれ、対策が必要になる。

フリッカー対策

落とせないコマ

コンタクトフレーム

コマを落とす場合でもコンタクトフレームは落とせない。コンタクトフレームは動いているセルがオブジェクトに接触するフレームで、例をあげると以下のようなものがある。

歩きのアニメで接地フレームを落とすと、人物が浮遊する。

クロスフレーム(オーバーラップ)

セルが他のセルを遮るフレームも落とさない方がいい。これを落とすとセルの前後関係がわからなくなる。以下の動画では球がオブジェクトの前を通ったのか後ろを通ったのかがわからない。

高速で動く物体はモーションブラー(ジャギーブラー)を使ってクロスフレームを作ることもできる。

影を落とすことで前を通過したことを伝える方法もある。

歩きのアニメで脚が交差するクロスフレームを落とすと、ずっと同じ方向の脚を前に出して歩いているように見える。

外部リンク

オブジェクトのコマを抜く[.blend]



アバター2はなぜ48コマなのか。HFR映画がもたらす視覚効果とリアリティ

以下のような話が紹介されている。

映画の FPS が 24fps になったいきさつや、60fps では 24fps の5倍の反応が得られた話、60fps と 72fps では大差がない話。

「水戸黄門」のフレームレートを落とすことで、過剰なリアリティがなくなって造り物っぽさが感じられなくなる。逆に高いフレームレートは、素材感を生々しく認識してしまうため、セットはセットに見え、カツラはカツラに見えるという現象を引き起こす。

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