メモリランクとは何か
メモリにおけるランクは JEDEC が定義した言葉で、モジュールのメモリバンク数(バス幅)に対するメモリチップの合計メモリバンク数(チップ数 * チップのバンク数)を表している。
用語 | 意味 |
---|---|
モジュールバンク数 | メモリモジュールのバス幅。通常は 64bit。ECC メモリは 72bit |
チップバンク数 | メモリチップ1枚のバス幅。大抵は8bit |
あるメモリのランク数はメモリチップのバンク数(メモリチップ一枚から出ている信号線の数)とメモリチップ数とから計算できる。たとえばメモリチップのバンク数 x8 でメモリチップ数が8枚の場合、8*8 / 64 = 1 となりランクはシングルランクになる。64 はメモリのバス幅だ。一般的な PC で使われる Unbuffered のメモリは1ランクあたり 64 bitだが、ECC メモリではエラー訂正用データのため、そのバス幅は 72 bit だ。
メモリチップのバンク数 x8 でメモリチップ数が 16 枚の場合、8*16/64 = 2 となりランクはデュアルランクになる。デスクトップ PC のメモリはたいてい、チップのバンク数が x8 で両面実装されるとメモリチップ数は 16 枚になる。このことから両面実装のメモリはデュアルランクという誤解が発生する。ノート PC のメモリではメモリチップのバンク数 x8 でメモリチップ数が8枚、つまりシングルランクで両面実装というメモリも存在する。
メモリのランクはどこで確認できるか
公式サイトかメモリのラベルかメモリのパッケージを見ると大抵書いてある。ただしメモリのランクを公開していないメーカーもある。
『1Rx8』ならシングルランクでチップのバンク数8、つまりチップは8枚。『1Rx16』ならシングルランクでチップのバンク数 16、つまりチップは4枚(('4'*16)/64 = 1)。『2Rx8』ならデュアルランクでチップのバンク数8、つまりチップは 16 枚。
1R/256Mx8 のような表記をしているメーカーもある。
高いメモリランクの欠点
サーバーではランク4やランク8のメモリを搭載できるが、高メモリランクメモリは以下の欠点がある。
- CPU のサポートしているランク制限を超える
- 性能が低下する
CPU のサポートしているランク制限を超える
CPU は認識できる合計メモリランクに制限がある。全てのスロットをランク8のメモリで埋めてしまうと、CPU が一部のメモリを認識しない。
性能が低下する
高いランクのメモリは動作速度が遅い。これは速度と容量のトレードオフになる。
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