Blender のリンクとアペンドの違い
リンクの特徴
リンクで読み込んだオブジェクトは変更できない。しかしプロキシを作成すれば制限付きでそれを変更でき、その変更はリンク元のオブジェクトには適用されない。プロキシに対しては移動・回転・スケール・コンストレイントの追加・モディフィアの追加等はできる。
バージョン 2.81 以降はライブラリオーバーライドがプロキシ化を置き換える。ライブラリオーバーライドについてはリグ付きのメッシュをリンク・ライブラリオーバーライドで読み込む方法を参照。
プロキシは「オブジェクト」の内容をを上書きする。なのでデータを変更する以下のような行為はできない。
- エディットモード・ウェイトペイントモード・スカルプトモードに入る
- 頂点グループ・UV・シェイプキーの変更
- エディットボーンの追加・削除・位置変更
以下のことはできる
- ポーズモードでボーンを動かす
- アーマチュアをつけて自動でウェイトをつける
- メッシュのマテリアルを変更
リンク元のオブジェクトに変更があった場合、その変更はリンクしたオブジェクトにも適用される。もちろん作成したプロキシも変更される。逆にプロキシに追加した変更はリンク元には適用されない。
プロキシの作成方法
リンクで読み込んだオブジェクトを選択した状態で Object > Make Proxy...(Ctrl + Alt + P)を実行する。プロキシは名前の後ろに _proxy がつく。
プロキシは Link: を Object に変更すれば、マテリアルも変更できる。
使用例
例えばモデラーとリガーが別の人だとする。モデルが完成するまでリギングに取り掛かれないのは時間の無駄だ。なぜならローメッシュがあればリグを組めるからだ。モデルのローメッシュが完成した地点でそれをリガーにリンクで渡せば、モデラーがモデルのハイメッシュやテクスチャを作成している間にリガーはリグを組める。
リグがあればアニメーターは大まかなアニメーションをつけられる。このようにリンクがあることでモデルが完成するまでリガーやアニメーターが仕事ができないという無駄を排除できる。
Make Local(ローカル化)について
プロキシと似たような操作としてローカル化がある。ローカル化はリンクを切断するので、アペンドするのとほぼ同じだ。しかしアペンドと違い、ローカル化は切断するリンクを選択できる。マテリアルやデータをリンクしたままにしておくことも可能だ。
ローカル化はオブジェクトを選択して L でできる。
リンクのリロード
ファイルを開きなおすか、アウトライナからリロードする。アウトライナで Blender ファイルを表示し、リンク元のファイルを右クリック > 再読み込み(Reload)を実行する。
アペンドの特徴
アペンドは単なるコピーである。どちらのファイルを変更しても、変更は他のファイルには反映されない。
グループ
バージョン 2.80 以降はコレクションを使う。
複数のオブジェクトをリンクやアペンドでインポートするときは、グループを使うと便利だ。これは Properties > Object > Grops にある。グループに入れたいオブジェクトを選択し Add to Group を押すだけだ。グループは .blend ファイルの Groups ディレクトリにある。このグループをインポートするだけでグループ内のすべてのオブジェクトをインポートできる。