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イラスト作成業務の委託契約書の解説

カテゴリ:法律

イラスト作成業務の委託契約書は自由に改変して使用でき、再配布できる。

第2条(契約の解除)

解説

契約解除について何の取り決めもないときは、以下の条件をすべて満たす場合に契約を解除できる。(民法第541条)

  1. 相手方が期限に債務を履行しない
  2. 総統の期間を定めて履行の催告をするが、その期間内に履行がない

契約の解除条項がない場合は、取引先に信用不安が認められる場合や契約の一部を履行しない場合でもすぐに契約を解除できない。これは漫画制作のような継続的な取引の場合に重要になる。

例えば毎月 16 ページの漫画を書く契約があるとする。契約の解除条項がない場合は、先月の原稿料入金がなかったとしても今月の原稿を引き渡す必要がある。契約の解除条項がある場合は、先月の原稿料入金の不履行を根拠として契約を解除できる。

第3条(権利の帰属)

  1. 本著作物の著作権は甲に帰属する。乙から提出された作成指示書、テキスト原稿、画像等については、乙に帰属する。

解説

重要なのは 2条1項で、これは著作権を譲渡しない条項だ。利用権の設定は第5条行っている。

第5条(利用許諾)

1. 甲は次の各号による乙の行為を許諾する。

 一 インターネット上への公開を目的とする本著作物の使用。

 二 インターネット上の公開またはコンテンツの維持を目的として行う本著作物の翻案。

 三 販促目的での本著作物の印刷物の配布。

 四 本著作物の印刷を目的として行う本著作物の翻案。

解説

他に許可したい行為がある場合ここに追加する。

第8条(独占的利用許諾)

解説

著作権を譲渡する場合(著作権の譲渡は非推奨)は不要。

第9条(氏名表示権)

解説

氏名表示が必要な時はここを書き換える。氏名の表示方法の条項も必要になる

第10条(納期)

解説

ファイル形式が異なる場合はここを書き換える。アップロード先の URL やファイル名を記載することもある。

第12条(受入れ・検査および引渡し)

解説

リテイクの回数や内容を制限するときはここを書き換える。変更量が大きいときは追加料金と追加納期とを要求した方がいいかもしれない。

第13条(代金支払方法)

  1. 乙は、甲に対し、イラスト作成業務及び本著作物の利用許諾の対価、その他本契約に基づく一切の対価として、金_円(消費税込み)を支払う。
  2. 乙は、_条の支払期日までに代金の全部または一部を支払うことができないときは、支払期日の翌日から支払いをする日までの期間について、未払金に対し、年利_%を乗じた額を遅延利息として支払う。

解説

これは買い取りの場合の条項だ。買い取りの場合は、仕事を始める前に料金の半額を先払いするようにしたり、料金の全額が支払われないと利用許諾を出さないようにしたりすることも検討するといい。

前金を取る場合

  1. イラスト作成業務及び本著作物の利用許諾の対価、その他本契約に基づく一切の対価(以下「本件業務に関する対価」という)は、金_円(消費税および前払金込み)とする。
  2. 本件業務に関する対価および前払金の振込先は甲指定の口座_とする。なお、振込手数料は、乙の負担とする。
  3. 本件業務に関する対価の額を変更する必要が生じた場合は、甲乙協議してこれを定めるものとする。
  4. 乙は、前払金として金_円を甲の請求に基づいて、その請求のあった日から_日以内に支払うものとする。
  5. 乙は、本件業務に関する対価から前払金を差し引いた残額を支払う。
  6. 乙は、_条の支払期日までに代金の全部または一部を支払うことができないときは、支払期日の翌日から支払いをする日までの期間について、未払金に対し、年利_%を乗じた額を遅延利息として支払う。

売上に比例した報酬の場合

1. 乙は、甲に対し、イラスト作成業務及び本著作物の利用許諾の対価、その他本契約に基づく一切の対価として、本件キャラクターを使用して商品化した製品における乙の売上の_%を支払う(以下、本件キャラクターを使用して商品化した製品を「本件各製品」という)。

2. 前項の使用料請求権は、本件各製品が乙の工場または乙が製造を委託する第三者の工場から出荷されたときに発生するものとする。ダウンロード販売等の電磁的方法で販売される場合は、毎月末日に前項の使用料請求権が発生するものとする。

3. 前項に基づいて発生した使用料について、乙は甲に対して、毎月末日締めで、翌月末日までに甲が指定する銀行預金口座に振り込んで支払う。振込手数料は乙の負担とする。

4. 乙は毎月末日締めで、当月1カ月間の本件各製品の製造数量、販売数量、販売価格を集計し(製品が複数種類あるときは、それぞれについて)、これを速いやかに甲に報告する。

領収書

銀行振込やクレジットカードでの支払いは、それだけで証拠能力があるので推奨される。カード会社からの請求明細書は請求書に該当する。銀行振り込みで支払人が請求書を要求した場合は請求書の発行義務がある。メール等の電磁的な方法で領収書を発行すると印紙代を節約できる。領収書を発行したくない場合は、「銀行振り込み明細書をもって領収書の発行に代える」旨の合意をとり、それを契約書に記載する方法がある。

現金手渡しで請負代金を受け取る場合は必ず領収書を発行する。

参考文献

島並良・上野達弘・横山久芳『著作権法入門』(有斐閣、2009年)

藤原唯人 『著作権で迷ったときに開く本 Q&A』(カナリア書房、2013年)

池辺吉博 『債権回収の進め方』(日経文庫、2006年)

外部リンク

クリエイター関係の法律に関するよくある誤解

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